ヴィジュアルデザイン専攻 麻生あおいさんインタビュー
ヴィジュアルデザイン専攻4回生の麻生あおいさんに普段の制作活動や専攻などについてお話を伺いました。
普段の制作のテーマを教えて下さい。
自分がやりたいなと思ってることは、人を動かすこと。自分が作ったもので人がどんな反応するのかを考えるのがすごく面白くて、卒制ではゲームを作ろうと思っています。
ゲームは前から考えていた?
去年の冬からボードゲームを作ってて、自分はゲーム企業に入りたいと思って就職活動もして、実際来年からゲーム会社に行くんやけど…就職活動をしていく上で、なんでゲームが作りたいんやろうって考えるタイミングがあって。ゲームにしかできないことってなんやろうって考えたら、自分が作ったもので人が行動するっていうことが一番特徴的な部分やなと思ってて。ゲームで「遊ぶ」っていうすごく幅のある行為ができる。あそびによって人と人が交流したり、自分の世界に没頭して嫌なこと忘れられたりとか…ゲームを遊ぶっていうことで人が次のステップに向かったり、新しいことが始まったりするような力があると思う、ゲームには。
就活は大きなきっかけに?
それまでは絵を描くのが好きで、ゲーム会社でイラスト描ければいいかなって思ってた。だけど実は違うなって、自分は絵を書く事が楽しいんじゃなくて、自分が作ったものを見て人が反応するのが面白いんやって気づいた。絵以外のもの、例えばゲームを作ったら「すごいね」「かっこいいね」以外の反応が返ってくるんやなぁって。ゲームでどんなことができるのかっていうことに今はワクワクしてます。ゲームで世界平和を実現したい!
京芸を受験したきっかけは?
好きなイラストレーターの人が卒業してたから。中2のときかな…着彩ジャンプの年、入試でジャンプがモチーフになったのがネットニュースになってて。自分がその時好きやったイラストレーターが「俺の大学めちゃくちゃはじけてる」って言ってて、「へ〜!はじけてんな〜」って思って。入ろうかなって思って、受験しました。
専攻の課題で印象に残っているのは?
京芸のビジュアルデザイン科は本当に色んなジャンルのものを作らされる…ポスターとかロゴは分かる。浴衣?!フィギュア?!みたいな。店舗のデザインとかインテリアもしたし…これが何の役にたつの?って思うことはあるけど、やっぱり一度やったことがあるのとないのとでは、もし自分が何かを作りたいと思った時に選択肢の数が全然違うなとは思う。
卒制では大きい積み木を使って来場した人が橋を作っていく、みたいなゲームを作ろうとしてるけど、もしグラフィックデザインしか勉強してなかったら、大きい積み木を作ろうっていう発想は絶対出てこなかった。やっぱりこれから社会に出てものを作っていく人間として、なんでも平面として発想していくよりもいろんな選択肢の中からどれが一番人の心に届くかっていうことを考えていける選択肢の幅、引き出しの幅を作れたのはすごく良い4年間だったなと思います。
確かになんでもやってるイメージがありますね…
手段を選ばないから…(笑)それは他の大学とはきっと違うところだと思います。
学外活動をたくさんやってたのは意識的に?
そうですね。最初にやり出したのは就職活動のため…正直ね。でも誰かと話合いしながら作っていくっていうのがやっぱり好きなんやろうと思う。好きじゃなかったらこんなにたくさんできてない。ミュージカルグループ、フリーペーパー、アートフェス…今は制作展委員。4年間ずっと何かしらのプロジェクトをしてたなって。多分好きなんやと思います。
ひとりでやるのとは全然違う?
この問題をどうやって解決しよう?ってなった時に一人で悩むのが結構苦手で。いろんな人に相談しながらものを作っていくタイプではあるし、ゼロから作っていく団体活動、プロジェクトっていうのが自分のものの作り方にすごく合ってるんやと思います。これからゲームを作っていくにしても誰かと話し合いながら、自分の持ってない能力を持ってる人と一緒に作っていけるっていうのがすごく楽しみです。
制作のアイデアはどんな風に?
デザイン科は卒制までは基本的に課題があって、それにどう答えようかなってひたすら考える。アイデアは割と降りてくるタイプなので…移動時間とかにふっと、降りてきます。
課題はかなり短期スパンだったような…
2年まではね。それはもう自分の引き出しをひたすら引っ張り出して、これ使おう!って。ビジュアルデザインって忙しいイメージ持たれるけど、そんなに大変じゃないよ?特に3年からは結構作品ひとつずつに対する制作時間が長いから他のことも考えられるし、だからこうやって学外活動もできたし。
デザインとはなんだと思いますか?
なんなんだろうね。でも相手のことを考えるってことなんじゃないかなって思っています。
学内展についてどう思いますか?
デザイン科っていう立場から言えば正直、市美に戻りたいです。デザインの作品って作品として見てもらうのが難しい。デザインされた製品って日常の中にある。ポスターも椅子も溢れてるし、そういうものを日常空間みたいなところに置くとそれがデザインの作品だと認識することがみんなどうしてもできない。ホワイトキューブでやればデザイン作品が消費されるものでなく、作品なんやっていう風にみんなとらえられるんじゃないかな。日常空間に合う作品とホワイトキューブの方がより良い作品があるけどね。