大学院美術研究科 絵画専攻構想設計 詹涵逸さんインタビュー
構想設計修士2回生の詹涵逸さんに普段の制作活動や専攻についてお話を伺いました。
普段の制作や作品について教えて下さい。
メディアをテーマに写真や映像、テキストなどの作品を作っています。
特に注目してるのは「人間はどうのように情報を認識するのか」「アナログとデジタルメディアの関係性」「情報化社会における身体感覚」などの課題についてです。留学生として感じていること、覚えた違和感などもテーマになっています。それらを元に、写真や映像、立体物、平面などの形で表現して制作しています。例えば、映像を印刷した本や写真立てなど…台湾人のアイデンティティに関する映像作品も作りました。
最近は特に、どんなことについて作品を制作していますか?
最近は「情報を転換するとき紛失したもの」ということに関心を持っています。外国語を勉強する時、よく「翻訳」ということをしますが、やはりどうしても翻訳できないものが存在すると感じていて、そこから発想して作品を作っています。
毎回、作る作品によって形態は変わりますか?
そうですね、変わります。
先にコンセプトがあって、どうやって形になるかを考えて作品を作っています。
京芸に来る前から同様のテーマで?
学部の時はメディアアートを専攻していて、前はハイテクな感じの作品を作ってました。でもなんか虚しいなって(笑)今は情報を紙に印刷したい気持ちになっていて、色々試しています。
今回(プレ作品展)の作品のコンセプトは?
カメラの話なんですけど、壊れたものの保存方法を考察していく、みたいなことをしています。
廊下っていう展示場所はどうでしたか?
面白かったです。虫が死んでたりとか…(笑)
この作品はどうやって作っているんですか?
ヒートガンというドライヤーみたいなものでアクリル板を加熱して、曲げています。
どうやってそういった技術を身につけていますか?
周りの人に聞いたりネットで探したりかな。
専攻やゼミではどんなことをしてますか?
週に1回先生と面談があって、制作について話し合います。 自分の関心を見つけて、考えたことをどうやって作品にしていくか相談したり、サポートしてもらえます。 他には、学生がリサーチしてきたことや研究していることをプレゼンしたり、 たまに展覧会を見学しに行ったりもしています。
どうして京芸に?
台湾の芸大を卒業した後、日本に留学したくて…また芸術の方もやり続けたいなと思っていました。昔、京都に観光したことがあって、良いなぁって覚えていたので。都会の方が苦手なので京芸は自分に合っていて良いなと思います。
作品イメージのドローイングとかはしますか?
先生に説明するときはするけど、あまりしないです。
頭の中から直接形に?
サンプルはいくつか作ります。いっぱい作って、失敗して作り直したりはしました。
制作展の学内展示についてどう思いますか?
やっぱりホワイトキューブの方がやりやすいかなぁ。大学会館は建て付けとかやりにくいです。ゼミ室の方がやりやすいけど、きたない…(笑)
これからの制作、卒制は?
「距離を測る作品」を作ります…今回とはまた違った形態になると思います。
最後に、制作の息抜きはありますか?
コーヒーかな。自分でコーヒーを入れます。豆を挽くところから!